用語解説

Glossary lens
テレセントリック光学系 物体側と像側の片方または両方で主光線が光軸と平行である光学系。主光線が平行である側で物体位置あるいは像位置が光軸方向にずれても、撮影した像の大きさが変わらないという利点を持つ。
歪曲収差 (ディストーション) 光軸に垂直な平面上の物体の形状が像の周辺部で伸び縮みして歪む収差のこと。糸巻型、樽型、陣笠型タイプの3種類がある。

歪曲収差のタイプ

光学ディストーション 像高のディストーションによる変化分を歪曲収差がないと仮定した理想的な像高で割り、百分率で表した値。カタログ表記の値は適合カメラの視野内での最大値。
TVディストーション 撮像素子の長辺上での歪曲収差による直線の像の曲がり量を百分率で表した値。監視カメラ用CCTVレンズや映写レンズ等の歪曲収差の量を表すのに使用される。光学ディストーションの1/3程度となる場合が多い。
色収差 光の波長によって像の光軸方向の結象位置や倍率が異なる収差のこと。光軸方向の結像位置の違いを軸上色収差、倍率の違いを倍率色収差という。
光学的分解能 光学系を使用して同じ明るさの2点を見分けられる物体面上での最小距離のこと。光学的分解能より近い2点は、通常は1つの点と区別できない。 例)10μm→10μmの中に5μmの黒と5μmの白が解像できること。
解像力 等間隔な白黒のラインの像がどの細かさで見分けられるかを、像面上の1mm幅に入る白黒のライン1対の数(本/mm)表した値。主に監視カメラ用CCTVレンズ等で使われる。
被写界深度 被写体が光軸方向に前後しても鮮明に写る範囲のこと。物体側の深度の範囲のこと。※鮮明である範囲=OPTARTでは分解能が保証される範囲と定義。
焦点深度 レンズの像面の前後で像がボケずに鮮明に写る範囲のこと。像側の深度の範囲のこと。
開口数N.A. 光学系の明るさと光学的分解能の指標を表す量の一つ。N.A.が大きいほど明るくて分解能が高い。倍率が同じならばより明るい。屈折率ηの媒質中にある光軸上の物点が、入射瞳の半径に対して張る角をαとするとき、開口数(N.A.)はηsinαで表す。物体側開口数=N.A.、像側開口数= N.A.’。※弊社カタログ記載のN.A.は全て物体側開口数(N.A.)です。
 周辺光量 一定の光量(物体)を光学系で取り込んだ時に、中心の明るさ100%に対し、周辺の明るさをその比で表す。
口径比 光学系の入射瞳の直径と焦点距離の比。
作動距離W.D. レンズ鏡筒の先端からフォーカスが合う物体面までの距離。
イメージサークル 像面上で像の結像性能と明るさが良好とみなせる円形の範囲。結像円寸法=CCD対角サイズ。 ※イメージサイズは同意語。
イメージサイズ 像面素子の縦と横、または対角の寸法。
許容錯乱円 点像の許しうるボケの大きさを直径で表した円。被写界深度の計算に許容錯乱円の直径を使用する。
Fナンバー 無限遠の物体を撮影する際のレンズの明るさを表す数値。像の明るさはFナンバーの2乗に反比例し、数値が小さいほど明るいレンズ。 ※CCTVレンズ、写真用レンズに使われる。
有効Fナンバー 近距離の物体を撮影する際のレンズの明るさを表す数値。像の明るさは有効Fナンバーの2乗に反比例し、数値が小さいほど明るいレンズ。 ※マシンビジョン用レンズに使われる。
MTF 光学系が物体の形状をどの程度再現できるかを表した値。明るさが正弦波状に変化する物体を結像させた際のコントラス応答の値に等しい。等間隔の白黒のラインが並んだ矩形波チャートの撮影結果から求めたコントラス応答の値で代用する場合がある。 ※空間周波数=解像力チャートの本数
フランジバック カメラマウントの取付け基準面(フランジ)から像面までの距離。マウントの種類により距離が規定されている。
バックフォーカス レンズの最後屈折面から無限遠の物体が結像する焦点面までの距離のこと。
Cマウント・JEITA規格 JEITA TT-4506A (2014年1月改正) に規定するレンズ取付けネジとフランジバックの規格の一つ。

CマウントとCSマウントの違い

※CマウントレンズをCSマウントカメラに付ける場合は5mmのCマウントアダプターを取り付けてください。

レンズのF値と明るさの関係